V6「Toughness」への想い

冬の訪れを感じるこの良き日に丸26年の月日をV6として迎えられましたこと、心よりお祝い申し上げます。

2021年11月1日でV6の解散が発表されてから、V6ファンとして何ができるだろうかと色々考えましたが今年のコンサートの感想や、これまでの思い出って語られ尽くしていると思うので、自分ができることを。

私が一番好きな楽曲、「Toughness」についての想いを綴り、これを送辞とさせて頂きます。

▶︎Toughnessとは?

V6/Toughness(読み:タフネス)

1998年8月5日avex traxより発売された 3rdアルバムA JACK IN THE BOX収録曲。その10曲目がタフネスです。
作詞は山田英美氏 作曲は和泉一弥氏。*1
2人でライブをやっていたこともある、素敵なコンビでいらっしゃいます。

toughnessの意味
音節:tough・ness 発音記号・読み方:tʌ́fnəs
名詞
堅いこと,丈夫なこと;頑丈,屈強;不屈;(仕事などが)きついこと,難しいこと
→ここでは「不屈」がぴったりだと思います。

▶︎歌詞

歌:V6
作詞:山本 英美
作曲:和泉 一弥

Lai・・・・・
だってイイじゃない もっとイイじゃない 止めちゃうなんて つまんない
なんか言っても 誰が言っても グッとこらえて 走れ

ちょっとくらい はみ出しても 笑われても そんなこと
意味のない Ruleなら 立ち向かって 行こう

1%の可能性だって 試してみなけりゃワカンナイ 四六時中 朝・昼・夜 頑張ってみれば
何かがきっと見えてくるだろう わかってくるだろう
YES, NO! 明日はそんなに 悪い日にはならない

あきらめないで ぶつかるのが 僕らのSTYLE 中途半端なままじゃ 面白くない
投げださないで ぶつかるのが 僕らのSTYLE いつも 飛べないまま 終わりにしたくない

だってイイじゃない もっとイイじゃない 恋したって 傷ついて 泣いたって
そんなことも バネにする Toughな心 持とう

思い通りにいかないからって 背中向けるのはナサケナイ 弱音をはいても 近づかないだろ DREAM!
主役は自分さ 自分の人生 脇役なんてなれるはずない 落ち込むだけ落ち込んだら もう一度 SMILE!

あきらめないで ぶつかるのが 僕らのSTYLE しょうがないことだよと 決めたくない
投げださないで ぶつかるのが 僕らのSTYLE そうさ 熱い胸に 嘘はつきたくない

あきらめないで ぶつかるのが 僕らのSTYLE 中途半端なままじゃ 面白くない
投げださないで ぶつかるのが 僕らのSTYLE いつも 飛べないまま 終わりにしたくない

Lai・・・・・

歌詞の遠回りするニュアンスがネガティブで根暗な自分はだいすきで。
愚直でいて回りくどい歌詞の表現にお気づきでしょうか。
これ”頑張れ”でいいじゃん。
投げ出さないでやなくて”向き合え”でいいじゃん。

これよく見ると、全部を通してポジティブな否定表現なんですよ。サビだけでも”ない”の打ち消し表現が目一杯つめこまれている。
Toughnessって、わりと真剣にシブがき隊のNAI・NAI16の近しい親戚だと思っている。


気持ちいくらい端的な考察

シブガキ隊「NAI・NAI 16」トンチキソングの起源、その歌詞を真面目に考えてみた! | 1982年 | Re:minder - リマインダー https://reminder.top/484029916/

婉曲した表現で反抗期を想起させる少年のようなAメロにカミセンを、色々経験したんだろうなって感じる達観したBメロにトニセンを感じつつも、歌い分けはまさかのAメロにトニセン、Bメロが”カミセンのラップ”で、むっちゃ”かる〜く”聞こえるのが革命。ここが、カロリー高めな歌詞でいて、すごくインスタントに聴ける所以だと感じています。


▶︎メロディー


Lai La Lai Lai Lai〜から始まるキャッチーさ、
意味も無いかけ声でいて耳に残るリズムだけを残して行く80年代歌謡節!

ライライの間に入ってくるデンデデンデンデ!とSEを彷彿させるシンセサイザー
そのバックに聞こえるおっさんのかすかな英語*2という90年代ヒットソングの謎テンプレ!

トニセンの甘い落ち着きのある熟成されたジャニーズ発声が心地よいAメロからの、
新しい風を感じるBメロのまだ幼く発展途上なカミセンラップ。

未完成なニューウェイブアイドルが泥臭くも世の最先端を駆け抜ける感じが
随所に散りばめられています。


A JACK IN THE BOXのアルバム曲でありながらとてもポップで耳に残りやすいキャッチーさが頭に残るんですよね。
この3rdアルバムって全体的を通してなんだけど、多感な思春期が前面に出ている感じがとても好きで、(まああの…上の二人はすでにアラサーなんですけど…)
ヒット曲であるWA〜収録アルバム以降の、「いや、俺たちね、合唱曲を歌う王道大衆アイドルにみえてるでしょうが違いますぜ」なんてとんがり具合も感じるといいますか。

コンビ曲も、告白してもないのにフられる坂剛曲、キスだけで舞い上がりまくる長岡曲、ジャングルでどんちゃん騒ぎするいの健曲といい、いい具合にトンチキラインナップですよね。

ちなみに作曲担当の和泉一弥さんの最近のAKB48提供曲もやっぱりどこか80年代歌謡のベースが見えるのでおすすめです。バラの果実、たまんないです。ジャニーズ楽曲でいくと光GENJIの93年「きっと愛し合える」、95年ラストシングル「Bye-Bye」などを提供してらっしゃいます。

▶︎ライブでの幅広い汎用性

98年から04年までV6のコンサート定番楽曲としてジャニーズアイドルのコンサートにあるあるの「寸劇タイム」にこの曲はよく使用されていました。

学校へ行こう」のタイアップで、各自あるキャラの仮装パーティーの曲にしてみたり、
急な尿意にトイレに走るリーダーの応援歌としてコンサートでは大盛り上がりしていましたね。

飽きさせない構成・演出には清と濁が存在すると学んだことがあるのですが、まさにToughnessはメロディの熱さと想いとは裏腹に完全にネタの「濁」を演出するのに欠かせない存在でした。

ダンスの「投げ出さないで」のフリがどうやってみても何もかもを投げ出しているようにしか見えないのもまたお気に入りポイントです。
ライブでのパフォーマンスは、現存する映像であればLIV6で観れます。逆にこれ以外、確実にみれる映像はないです。6年も歌ってたのに。

LIV6 - DISCOGRAPHY | V6 Official Website
http://avex.jp/v6/discography/detail.php?id=165

▶︎Toughnessの思い出

上記の通り、6年間V6のコンサートで歌われていた過去がありますが、自分自身、Toughnessを生で見ることはついぞ叶いませんでした。そんな新規でも、大切な思い出がひとつ、あります。

忘れもしない6年前の2015年7月29日。
デビューシングルから最新シングルまでが収録された集大成のベストアルバム発売日に生放送された、ミッツマングローブさんのANNG「勝手にV6祭」*3にてなんと、
この曲「Toughness」をミッツさんが"V6ナンバーワン"と前置きしてかけられたことがありました。

最強の理解者おった・・・・・

前奏の巻き戻し「ソバババ」音でおとなげなくリビングのフローリングに膝ついたのも昨日のことかのように思い出します。当時でも2、300とあるV6の楽曲から選曲してナンバーワンという曲の前置きだけで天にも昇る心地だったのですが。
曲後、やたら「Toughness」に対して圧の強い内容のメールが読まれました。
「この人の熱すごいな〜・・あれ、これ私が書いたやつじゃん!」
なんなら100%同意というお言葉をミッツさんから頂き、少しだけ調子に乗ったのも良い思い出です。

補足しておきたいのは、あくまで当時の個人的思い出を見出したというわけではく、理想のアイドル像という枠組みがあって、その理想形に一番ハマった楽曲に感じたことが好きの理由なのかなと思ってます。


その理想のアイドル像っていうのを端的に言うと、ベーシックなジャニーズアイドルの骨組みを生かしつつ、オリジナリティーを肉付けし完全体に進化するまでには至らない発展途上な感じ。そこ。
日本のアイドルの一番推しどころは発展途上さ。その心理こそアイドルだと思っている節があって。だからラジオでミッツさんも言っていた、泥臭いけど完璧。未完成にしてこの楽曲が完璧なんだと思うのです。その大前提にはV6というグループが好きという想いがあるのですが。

▶︎最後に

V6は、流行に敏感に対応していける柔軟性こそ売り*4だとおもっているので、今の時代にToughnessがはまってるとは言えないし、個人的な嗜好があってこそ完璧だと感じる一曲のお話でした。
どの時を見てもやはり今が一番。今日がV6の中で一番最高。それがV6。そう言わしめてしまうのもV6。

今日でV6という屋号でのチームは解散になりますが、彼らの人生はまだまだ折り返し地点でしかないので。いくつになっても「僕らのSTYLE」を貫けますように。

最後になりましたがこれからのV6メンバーの皆様のご活躍とご発展を心よりお祈り申し上げ、送辞とさせていただきます。勤続26年、お疲れ様でした。夢のような時間をありがとう!


2021.11.1

*1:ちなみに自身が和泉さん楽曲で初めて聴いたのは「Rainy Lazy Morning」でした。今や演者側がフィーチャーされることは珍しくないですかその当時のパイオニア、某アニメーションから派生された俳優さんユニットのキャラクターソングのセカンドアルバム一曲目。心はサムライがヒント。

*2:小室ファミリーTWO-MIXこそ90年代後半の流行歌の典型だと思っている私の、偏った印象

*3:放送日:2015年7月29日 喋り手:ミッツさん 選曲:ミッツさん 構成:ミッツさん 演出:ミッツさん。熱量がガチなVオタが公共の電波をジャックしているだけの回、ちなみに同時刻V6本人らが出演している夏のFNS歌謡祭も放送されていました。

*4:レーベルがレーベルってのもあるけれど